20241124 東淀川教会礼拝宣教要旨「悪しき者の企みと罠」詩編140篇2ー24節 マタイ福音書12章33ー35節
ここでイエスは激しく断言的に良い人、悪い人を分けています。「良い実は良い木からしか生まれない。悪い実を生むのは悪い人。良い実か悪い実かを見極めなさい。悪い人は(言葉や文字や情報を操るが)心から溢れることを語らない。」と語っていると感じます。
良い木:傷ついた葦を折らず くすぶる灯心の火を消さず 忠実に公正をもたらす。イザヤ書42章3節
公正を勝利に導くまで 彼は傷ついた葦を折ることもなく くすぶる灯心の火を消すこともない。マタイ福音書12章20節
悪い木:戦車と馬、大軍と兵を連れ出し 彼らを皆倒して起き上がらせず 灯心の火を消すように消滅させた方。イザヤ書43章17節
灯心(ローソクの灯り)は人(神の子)のいのちであり神が吹き込んだ栄光。人や国の都合で吹き消してよい灯心はないはずです。公正は決して多数決ではないし、数の暴力もあります。選挙の票も売買や誘導は可能です。現代はネット情報やSNSによる情報戦略も相まって「公正」がますます見極めにくくなっていると感じます。大切なのは「傷ついた葦を折らず くすぶる灯心の火を消さず」のメッセージです。
ロシアにもウクライナ侵攻・戦争に反対する市民グループがあり、イスラエルにもパレスチナ自治区への軍事攻撃に反対する市民グループがあります。どちらの活動も国から反社会的組織として攻撃され続けています。 国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)カーン主任検察官は2021年にICCの主任検察官に就任。23年にはロシアのウクライナ侵攻をめぐり、ロシアのプーチン大統領らに戦争犯罪の疑いで逮捕状を請求。今年5月には、パレスチナ自治区ガザの戦闘でイスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を請求した。ただし被告がICC条約締結国に入国した場合にのみ逮捕が可能となる。現在カーン主任検査官へのセクハラ疑惑攻撃が為されている様子。「公正」の危機を感じます。 トランプ次期米国大統領が元不倫相手への口止め料の授受を隠すため業務記録を改造した事件で有罪評決を受けて行われる予定だった量刑言い渡し(罪の宣告)が大統領の任期後に延長されたとのこと。不逮捕特権があったとしても量刑言い渡しはあるべきです。
隣人である“折られようとしている傷ついた葦”を守るためにも、“消されようとしているくすぶる灯心”を守るためにも、「公正」を生み出す働きが求められていますし、「悪い実」、「悪い人」を見極める眼が私たちにいまこそ求められていると思うのです。