20250810 東淀川教会礼拝宣教要旨[敵を作らず闘わず」マタイによる福音書5章 43~48節
マタイによる福音書5章 43〜48節
「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と言われている。(43)
しかし、私は言っておく。敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい。(44)
天におられるあなたがたの父の子となるためである。父は、悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。(45)
自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな報いがあろうか。徴税人でも、同じことをしているではないか。(46)
あなたがたが自分のきょうだいにだけ挨拶したところで、どれだけ優れたことをしたことになろうか。異邦人でも、同じことをしているではないか。(47)
だから、あなたがたは、天の父が完全であられるように、完全な者となりなさい。」(48)
宣教要旨 「敵を作らず闘わず」
「戦争だけは絶対の悪だ!」「いつの時代も世の中から戦争がなくならないのは平和への祈りが万民に広がらないからだ!」「平和への祈りこそ絶対の善だ」…→いつぞや熱心な○○救世教の一員さんから聞いたコトバ。
「センソーとケンカは何がどう違う?」
「絶対の善や絶対の悪ってほんまにあるん?」
「なぜ国家を作り、武力を競い、戦いと報復が続くのか」
「世界が一つの国になれば戦争は終わる、とかいうけれど、一つの国の一人の王様とその子孫が世界を支配し続けたら戦争は終わるのか?」
「無差別大量殺人兵器を作り爆発させた人類は、二度と過ちを繰り返しませぬと毎年8月に爆心地で祈りを合わせているけれど、心の健康を保つための行事になってしまっているのではないか?」などなど、○○救世教の人や熱心な勧誘をしていた世界平和○○教の人などと話しても会話がかみ合ったためしがありませんでした。
イエスのもとに集まってきた難民のひとりとして、今日の聖書箇所からイエスの語りを息吹ごとイメージしたいのです。
イエスの回りに、“あなたこそ神の子”と叫ぶ人々が集まり、“いやいや、すべての人は神の子なのだ。わたしもあなたたちと同じ人の子でもある”とイエスが切り返していたことの根拠となる箇所でもあります。
世界は、自然は、いのちは、それでもなぜ美しいのか 神の創造は続き、全ての物も全ての命も神のものであることを感じ取るからでしょう。全ての人ももれなくみな神の子。放蕩子女であれみんな兄弟姉妹。善人も悪人もありはしない。特定の国民たちが敵味方に分かれて一方が滅びるまで争うならば、難民になってでも国を離れて生き延びなさい、山に向かって逃げなさい、と語っているようです。
今回の参院選で「日本人ファースト」などの標語が飛び回り、自信を失っている人々の民族的なプライドを掻き立て、難民や在日の人々に対する差別化を図ろうとする勢力が大きくなっていると感じられました。「自分にとって利益になる兄弟姉妹にしか挨拶をしない日本人」に成り下がっているように思われます。
憲法九条を守らなければ、とよく聞きますが、これに劣らず憲法22条二項はとても大事だと思います。学校でもほとんど教えませんが。国籍は自由に離脱する権利を人は持っているのです。国があって人があるのではなく、人があって、人が集まって国ができる。
国より人が上でっせ! 国より人が先でっせ!
王様が民に戦争を命じたら、民は180度回れ右していいのだよ!とイエスは語っていたと断言できます。
※(国籍離脱の自由 何人も外国に移住し、または国籍を離脱する自由を侵されない 日本国憲法22条2項)
※「過ちは繰返しませぬから」原爆死没者慰霊碑の碑文 広島大学教授で自身も被爆者であった雑賀忠義(サイカタダヨシ)氏が考案