20251102 降誕前第8主日礼拝 永眠者記念礼拝 ダニエル書9章25−27節 マルコ福音書13章14-20節

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Table of Contents

マルコによる福音書 13章 14ー20節

「荒廃をもたらす憎むべきものが、立ってはならない所に立つのを見たら――読者は悟れ――、その時、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。(14)
屋上にいる者は下に降りてはならない。家にある物を取り出そうとして中に入ってはならない。(15)
畑にいる者は、上着を取りに戻ってはならない。(16)
それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女に災いがある。(17)
このことが冬に起こらないように、祈りなさい。
それらの日には、神が天地を造られた創造の初めから今までなく、今後も決してないほどの苦難が来るからである。(19)
主がその期間を縮めてくださらなければ、誰一人救われない。しかし、主はご自分のものとして選ばれた人たちのために、その期間を縮めてくださったのである。(20)

ダニエル書/9章 25-27節
あなたはこれを知って、悟れ。エルサレムを復興し再建せよとの言葉が出されてから 油注がれた君が来られるまでが七週。また六十二週たつと、その苦しみの時代に 広場と堀は再建される。(25)
六十二週の後、油注がれた者は絶たれ 彼には何も残らない。都と聖所を次の君主の民が破壊する。その終わりに洪水があり 戦いの終わりまで、荒廃が定められている。(26)
一週の間、彼は多くの人々と契約を固め 半週の間、いけにえと供え物を廃止する。憎むべきものの翼の上に 荒廃をもたらすものが座し ついに、定められた破滅が 荒廃をもたらすものの上に注がれる。」(27)

宣教要旨 「危険なしるし」

エルサレム神殿の神の座を汚した大きな事件が二つ。
①BC2年 アンティオキアのアンティオコス2世 神殿にオリンピアのゼウス像を設置させた。
②AD40年ローマ帝国カリグラ皇帝 自分の石像をエルサレム神殿に設置させた。41年に暗殺される。
 マルコ福音書の記者の念頭にあったものはこの二つではないか、という聖書学者たちの意見あり。

「荒廃をもたらす憎むべきものが、立ってはならない所に立つのを見たら―読者は悟れ― 山に逃げよ。」と、
ダニエル書を引用しながらマルコ福音書の記者は語ります。このー読者は悟れーという特別な、珍しい記述に、マルコ福音書の記者マルコの素顔が現れていると思います。
 エルサレム神殿の「神の座」が汚されようと、イエスやイエスの仲間たちにとってそんなことはどうでもよかったと思われます。太平洋戦争の頃、教会の十字架の隣に天皇の皇后の写真を掲げて一緒に祈っていた教会もありました。戦時下の人々にとっても自分たちのキリスト教の信仰が天皇崇拝によって穢されたと反対する人は少なかったのです。おそらく、それはそれ、これはこれ、と気持ちの中で切り分け、やり過ごすこと、生き延びることが第一目的だったのですから。

イエスが語った“危機的な状況”とは、ドイツナチス時代のユダヤ民族に対するジェノサイド(カンボジアでのポル・ポト政権による虐殺 · 旧ユーゴスラビアでの民族浄化 · ルワンダでの部族壊滅戦争など)を思い浮かべます。あるいは今も行われているパレスチナのガザ地区へのイスラエルの容赦ない攻撃など。

ジェノサイドが近づけば、事態を冷静に観察し、よく考え、周りと相談してから山に逃げることを決める時間はなさそうです。それは“背中がゾクッとする”、“冷や汗が流れ出す”ことで、周囲の「弱い・貧しい人々」を守るためにも直ぐに決断しなければならない、と語られています。

「民族選民思想」とは特定の民族が神や超越的な存在によって特別に選ばれたと信じ、他の民族を導く使命を持つと考える思想です。これは、自分たちが最も神に近い特別なエリートであるという意識と、世界を導く使命感に基づいています。ユダヤ教における「神に選ばれた民」という考えが起源とされ、ナチスのゲルマン民族の優越思想、イギリス「白人の責務」、日本神国思想など。

「自分たちはアブラハムの子孫だと思っても見るな。神は石ころからでもアブラハムの子孫を造り出すことができる」(マタイ3:9 ルカ3:8)というバプテスマのヨハネの言葉。イエスも同様にイスラエル人の選民・優越思想を否定していました。

 現代のキリスト教諸派の中にも、日本基督教団にも「洗礼を受けたキリスト者こそが神に喜ばれる特別な選民である。選民だけが受け取ることのできる聖餐式を、洗礼も受けていない、教会への献金も献身もしていない者たちに配餐する教会、希望者全員に配餐を行う牧師や教会は間違っている!」という“選民意識”を“キリスト教信仰”の根幹だと感じている人々や教会は少なくない。

 カルトと呼ばれる「教祖や自分の信じる信仰のためには死んでもかまわない」熱狂的な宗教団体があります。実は究極的な“自己愛”の信仰なのですが、「私が愛するこの国家のためなら死んでも構わない」という“信仰=思い込み”、「国家戒壇(仏教バージョン)」に最も簡単に誘導される(洗脳される)と、自分の一生をかけて命懸けで信仰(指示に従う)ことになります。
逮捕された山上徹也氏の母親もまた、洗脳された者の悲劇を示しています。

総理となり、米国の原子力潜水艦の上で、トランプ大統領の横で大はしゃぎする高市早苗氏に、“背中から冷や汗が流れる”実感を味わいました。

イエスのよく使われたであろう言葉の一つに「目を覚ましていなさい」=「醒めていなさい」があります。
コマーシャルではありませんが、人の心を「マインド・コントロール」しようとする策動や誘惑に満ち満ちています。危うく引っかかりそうになったときに相談したり議論したりできる友達たちこそ重要だと心の底から思います。

以下はメモです。
「日本会議」の動向
1974年臨済宗僧侶神社本庁生長の家「日本を守る会」創設1997年日本会議発足 元号法制化運動 夫婦別姓反対運動 歴史教科書を作る運動etc 日本総理大臣席に座った高石氏。自衛隊から国防軍へ 放送法4条違反は電波停止 日章旗を汚す行為の厳罰化 教育勅語・家父長制度復活 外国人参政権認めず 皇位継承は男系男子による継承を維持。
『戦争権』は、全ての国家に認められた基本権….云々。
「醒めていなさい」イエスの言葉を心に刻み祈りたい。
※電子ネットを通じて誘導される全体主義思想。
※住民を死を恐れぬ「国民」に変えるための洗脳教育。 
※民族を神の戦士に仕立る宗教教義、選民思想の植付け。
※国民にとって危険な外国人、劣った民族への差別政策。 

高石早苗経歴 1961年〈昭和36年〉生  神戸大学経営学部経営学科卒 松下政経塾 「Congressional Fellow」として派遣 松下政経塾を卒塾 
夫は元衆議院議員の山本拓 
放送局が政治的公平性を欠く放送を繰り返した場合、放送法4条違反を理由に電波停止を命じる可能性に言及
保守系団体の「日本会議」(1997年設立)安倍晋三と共に中核を担う
日本国憲法を改正し、「戦争の放棄」などの条項を削除して(自衛隊ではなく)「国防軍」と明記する
日章旗を傷つける行為を処罰する刑法改正を推進
社会保障の「不正な受給」を阻止
所得税の累進課税を廃止
皇位継承問題に関して、男系男子による継承を維持
家族観について、選択的夫婦別姓に反対
「教育勅語」(「教育ニ関スル勅語」明治23年10月30日)で日本の独立統治権の心を取り戻す。
「『戦争権』は、全ての国家に認められた基本権
外国人参政権の付与に反対
1996年1月9日付の世界日報で、「私は家長制度が復活してもいいと思う」と発言
日刊紙『世界日報』に1994年4月、1995年1月、1996年1月、1997年3月、2001年1月の計5回登場
2011年6月、ナチス・ドイツを信奉するネオナチ系の日本の市民団体「国家社会主義日本労働者党」の代表である山田一成と高市が、日本国旗の前でツーショット写真を撮影
高市が1994年書籍『ヒトラー選挙戦略』に推薦文を寄せた
鳥越俊太郎による「経歴詐称」騒動『議会立法調査官をやっていた?』

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