東淀川教会20180701礼拝 題「赦し・裁きは与・奪のこと」司式:金田恆孝

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旧約聖書 Danielダニエル書9:24-27
9-24 あなたの民と、あなたの聖なる町については、七十週が定められています。これはとがを終らせ、罪に終りを告げ、不義をあがない、永遠の義をもたらし、幻と預言者を封じ、いと聖なる者に油を注ぐためです。
9-25 それゆえ、エルサレムを建て直せという命令が出てから、メシヤなるひとりの君が来るまで、七週と六十二週あることを知り、かつ悟りなさい。その間に、しかも不安な時代に、エルサレムは広場と街路とをもって、建て直されるでしょう。
9-26 その六十二週の後にメシヤは断たれるでしょう。ただし自分のためにではありません。またきたるべき君の民は、町と聖所とを滅ぼすでしょう。その終りは洪水のように臨むでしょう。そしてその終りまで戦争が続き、荒廃は定められています。
9-27 彼は一週の間多くの者と、堅く契約を結ぶでしょう。そして彼はその週の半ばに、犠牲と供え物とを廃するでしょう。また荒す者が憎むべき者の翼に乗って来るでしょう。こうしてついにその定まった終りが、その荒す者の上に注がれるのです」。

新約聖書 Mark マルコ福音書
4-24 And he said unto them, Take heed what ye hear: with what measure ye mete it shall be measured unto you; and more shall be given unto you. また彼らに言われた、「聞くことがらに注意しなさい。あなたがたの量るそのはかりで、自分にも量り与えられ、その上になお増し加えられるであろう。
4-25 For he that hath, to him shall be given: and he that hath not, from him shall be taken away even that which he hath. だれでも、持っている人は更に与えられ、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう」。

宣教題「赦し・裁きとは与・奪のこと」
ダニエルとはヘブライ語で「神は私の裁判官」という意味。紀元前6世紀。エルサレムを滅ぼしたバビロンの王はイスラエルの人々をバビロンに従属させ植民地とするために捕囚民の中から従属国の支配のためのリーダーとなる若者を選んだ。その仕組みは、戦後米国が日本や琉球を実質的な属国とするために人を選び米国で教育し、国政を後ろから支える役人として日本や琉球に再び送り込んだシステムと同じだと思われます。
そこで選ばれた1人が若きダニエルでした。ダニエルはバビロン王のみた不思議な夢の「夢解き」を行い、覇権を争う諸国についての近未来的ビジョンを示し、バビロン王に重宝されたようです。ダニエル書に記される「メシア」を「ナザレのイエス」にむりやり結びつけ、一日を一年に置き換えて、キリスト預言として解釈する人々も絶えませんが、ここでの「メシア」は「わが解放者」以上の意味はなく、だからこそバビロンを滅ぼし、捕囚民の帰還を許したたペルシャのクロス王を「メシア」と呼んだわけです。ダニエルのわざはバビロン王の不安を和らげ、同時に捕囚であるイスラエルの民に解放への希望を与え続ける「バランスの役割」というものでした。ただ、ダニエルの夢解きを通して、バビロン王が世の移ろいについて「人のわざ」を超えた「神の御手のわざ」を怖れつつ知ろうとしていた姿が面白いと思うのです。

「神の裁き」 「神の赦し」について、わたしたちはつい、抽象的・普遍的な概念を思い巡らしがちです。“かしこより来たりて生ける者と死ねる者とを裁き給わん”の告白もその一例。が、イエスの語る言葉はもっとシンプル、具体的だったと感じるのです。
裁きとは「奪う」ことであり、赦しとは「与える」こと。
「あなたがたの量るそのはかりで、自分にも量り与えられ、(神さまに)その上になお増し加えられるし、あなたがたの量るそのはかりによっては、それを持っていない人は、持っているものまでも取り上げられる」と。
人間関係とは「奪うこと」と「与えること」の織り模様。あなたの量るはかりは何か。奪い合い、殺し合う「はかり」から、「与え合い、活かし合う「はかり」とは何か。それがイエスからの私達に対する問いかけだと感じるのです。

○先週の出来事
島津容疑者が交番を襲い銃を奪い、小学校に向かった。警察官と小学校警備員が死亡した事件。
ツイッターでの自己紹介。“救いなき世界に天罰を。罰則なき社会に救済を”。島津氏自身が自分に対して、そして世に対してどんなおとしまえを考えていたのだろうか。世に可能な限り大きな爪痕を残すことと引き換えに滅びたかったのだろうか。

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