20220320 礼拝宣教要旨 「悔い改めよ」イザヤ書33章56章 マタイ6章 マルコ11章 担当 金田恆孝

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本日の聖書箇所(聖書協会共同訳)
 シオンで罪人はおののき 恐怖が神を敬わない者を捕らえた。「我々のうち誰が 焼き尽くす火の中にとどまりえようか。我々のうち誰が とこしえに燃える炉の中にとどまりえようか。」イザヤ書33章 14節

 私は彼らを私の聖なる山に導き 私の祈りの家で喜ばせよう。彼らの焼き尽くすいけにえと会食のいけにえは 私の祭壇の上で受け入れられる。私の家は、すべての民の祈りの家と呼ばれる。イザヤ書56章7節

 今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことではないか、信仰の薄い者たちよ。  マタイによる福音書6章 30節

 そして、人々に教えて言われた。「こう書いてあるではないか。『私の家は、すべての民の祈りの家と呼ばれる。』ところが、あなたがたは それを強盗の巣にしてしまった。」マルコによる福音書 11章 17節

 それから、天使が香炉を取り、それに祭壇の火を満たして地上へ投げつけると、雷鳴、轟音、稲妻、地震が起こった。ヨハネの黙示録8章 5節

本日の宣教要旨「悔い改めよ」

 今、ここに集っている私たちは、2千年前の、パレスチナのイエスの言葉を、今、ここの私たちに対するイエスの言葉として聞くことができます。それがキリスト教信仰だと思います。

 天災が起こっています。こんな時に、終末だとか、予言や「ヨハネの黙示録」の成就だとか騒いで、騒ぎを広めて人を集めようとする人、熱狂集団を作ろうとする人たちが必ず現れます。が、どれほど怖ろしいことでも、たとえ日本列島が水没しようが、疫病が流行しようが、神の罰ではなく、地震も津波も火山も疫病も生きている地球の自然な出来事です。

戦争が起こっていますが、“燃える炉”を作り出した人間が引き起こしている愚かな行為であり罪であり犯罪です。人間が人間の愚かな罪と向き合い、神の赦しと悔い改めを求める場所が「祈りの家」だとイザヤは語ります。

 イエスの言葉として記されている「今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ」は、初期イエスキリスト教団の意図が重なった、不自然な表現です。イエスの言葉としては、「太陽に育まれ、やがて太陽によって枯れる野の草であっても」が自然なメッセージと思われます。動植物も人間も、その誕生も死も「自然」です。死は罪の結果でも神による罰でもないのですが、パウロは「全ての人が罪人だから」死ぬというのです。死を恐れる人々をキリスト教へと誘導するためには有効な概念だったとしても、イエスの言葉とはズレていると思います。全ての人が罪人なのではなく、神(神殿・祈りの家)を利用して権力者と追従者が「義」と「罪」の秤を手に持ち、ヘイト、差別を作り出し、「敵を殺す」正義の戦争を繰り返す者たちに対して、イエスは神の祝福を奪う「強盗」と語り、非難し、悔い改め(改心)を求めます。

 日本もアジア侵略を企て、「敗戦」を「終戦」と言い換え、悔い改めや改心をせず、戦勝国に服従しながら経済成長へと向かいました。福沢諭吉の「一身二世」「一人両身」(文明論之概略)は、戦争責任を負う必要もなく、軍国主義臣民から西欧文明・キリスト教から学んだ民主主義市民(天は人の上に人を作らず…)、経済発展に服を着替えるように頭を切り替え、経済的豊かさを求めるためには必要な合理化だったと思われます。二度と過ちを犯さないための改心はしないで済んだわけです。これが当時の「啓蒙思想」の正体だったと思います。

 日本で戦争に反対せず、イエス・キリストと天皇を正面に掲げ、満州伝道に邁進した教会指導者たちの多くが、戦後、バルメン宣言を起草したカール・バルト神学に向かいました。その一人山本和教授(日本基督教団より大東亜共栄圏に在る基督教徒に送る書翰の原案者)から関東学院大学でバルトを学びました。当時のひっかかりがずっと残っていましたが、今になって思えば、バルトの「人間に従うより神に従うべき」神学を語る教授の姿が、福沢諭吉の頭の切り替え方と重なって感じるのです。軍事国家の翼賛体制として集まった日本基督教団も未だに組織としての悔い改め、改心をせずに今日に至っていますが、頭だけ切り替えたつもりで体はそのままの日本の指導者たちと同じなのでしょう。 イエスの「悔い改めよ」の声を、今の「戦時下」でこそ聴きたいと思うのです。

先週の出来事

5~11歳を対象とした新型コロナウィルスのワクチン接種が3月から多くの自治体で始まり、17日までに対象の1・7%にあたる12万6千人が接種を受けた、とのこと。高齢者と違い、小児の感染による死亡例は殆ど聴かない。なのになぜ?と考えてしまう。「同調圧力」が強いのでしょうか? 壮大な「実験」なのでしょうか?

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