20240818 東淀川教会礼拝宣教要旨「仲間たちの葛藤」ユダの福音書四章
第四章
1 別の日に、イエスが仲間たちのところを訪れたとき、彼らはイエスに言った。「私たちも昨夜、あなたについての夢を見たのです。」
2 イエスは言った。「あなたたちはわたしに対する自分の苛立ちや怒りを隠して、夢のお告げでやり返そうとするのですか?」
3 彼らはかまわず続けた。「ひとつの大きな建物があり、中に大きな祭壇があり、祭壇の近くには祭司と思われる十二人がおり、祭壇の前に群衆が集まっていました。祭司長たちがそこに入ってきました。私たちは何が起こるのだろうかと見ていました。
4 イエスは言った。「その祭司たちはどんな様子でしたか?」
5 彼らは応えた。「二週間の断食を自慢する人、自分の息子を神に捧げた人、自分の妻を神に捧げた人、賄賂を要求する人、男と寝る(他国の王に賄賂を送りおもねる)人、人を刑死させた人など、様々な罪を犯している祭司たちがいます。
その祭司たちに裁かれる人々が祭壇の前に立たされています。彼らはあなた、イエスの名を呼んで、赦しの宣告を求めています。しかし彼らは罪人として断罪され、神への生け贄としてその体は死体となって燃やされ続けています。
わたしたちが行っている微々たる癒やしのわざ、赦し・解放のわざがいったい何になるというのでしょう!」そう言いながら、彼ら自身が動揺しており、その後黙ってしまった。
宣教要旨「仲間たちの葛藤」
イエスたちの活動は、神殿側の指導者たちを中心に「反神殿・反ユダヤ教勢力」「反社会的勢力」として敵視・攻撃され、仲間たちや同行している人々の緊張は高まっていました。仲間たちは、自分たちの行いが神の御心に叶う、正しいことだと思いながらも、批判的な勢力に取り囲まれており、イエスをリーダーとして依存し、組織の防衛やら活動の展開や今後の見通しなどの責任をイエスに負わせようとするのですが、イエスはそんな彼等の思いに取り合ってはくれません。そこで、“私たちはこんな夢を見た”と、夢解きのかたちで自分たちの不安や苛立ちへの答えをイエスに求めたようです。おそらくイエスはカウンセリング手法のひとつとして「夢分析」を用いていたと思われます。
夢の中で神殿祭司たちの様子はどうだったかとイエスに問われ、神殿政治の非道さを語ります。“律法を利用して神への捧げ物と称して「献品」や「献金」を人々に強要し、私腹を肥やし、祭司、レビ人としての人々に仕える責任を放棄し、貧しい人々の背に更なる重荷を背負わせ続けている神殿支配者たちの姿です。
しかし、ユダヤ教の各指導者たちのネットワークがあり、ヘロデ王やローマとも繋がっている強大な権力を持っており、イエスたちが癒やして回復した人々の回復も認めず、治療のための捧げ物を求め続け、イエスたちの活動を応援する人々を、誤った情報を流布しているとして罪に定めたりしていると、夢の報告のかたちで神殿政治の非道さを語ります。
“我々が貧しい人々のために努力した成果も、もっと大きな力で潰されてしまう。私たちを応援し、正しく証言する人々がひどい目に遭っている。また、私たちが癒やした人々がすべて私たちのために正しく証言してくれるわけではない。私たちに不利な証言をすれば神殿側からお金がもらえるのなら、お金をもらって言われたとおりの証言をする人々も多い。
いったい、この先にどんな展望があるんでしょうか!”とイエスに詰め寄っている仲間たちの様子が感じられます。