20240922 東淀川教会礼拝宣教要旨 「人は神の子」ユダの福音書九章 

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第9章 世界と人間との生成についての神託

1 イエスは言った。「いかなる人間も知らない秘密について教えます。

2 「草葺きの大きな家」・「神の国」とは無限であり永遠であり、過去の天使たちも全体を見極めたことはないのです。大いなる未知の霊と混沌とがその面に漂っており、人の心がこれを把握したり認識したこともなければ、いかなる名や概念で呼ばれたこともないのです。
世界
3 大いなる霊は「光」と名付けた大いなる霊を雲から呼び出した。呼び出された「大いなる霊」を四人の天使が現れてこれを助けた。

4 大いなる霊は「光あれ」と命じ、第一の「光」が生じた。光を支配する第一の霊を創造し、これを助ける無数の天使たちを生じさせた。また、光を支配する第二の霊、第三の霊などいくつもの霊を創造し、それぞれを助けるための無数の天使たちを創造した。

5 第一の「光」に照らされた「神」と呼ばれる者たちの中に、天使の似姿をした「アダマス」という人がいた。このアダマスから多くの世代が生まれた。この世代の中に「朽ちない光」を支配する者が12、24、48、72から5倍の360へと増していった。

6 12のグループ各々に6つの天ができたのは72の天ができるためだった。それぞれの天に5つの開くこととなり、三百六十度の蒼穹が出来上がることになる。無数の天使により、すべての天に向かって礼拝が行われ天の栄光が現れるためである。

7 朽るべきコスモスの中から最初の人間アダマス(両性)、そして72の光と朽ない諸力が現れた。

8 「変わらぬ叡智グノーシス」と「エーレーレート」と呼ばれる天使が現れた。

9 エーレーレートは「闇と混沌を支配するための十二の天使があるように」と言った。

10 十二の天使が現れた。ネブロー、ヤルダバオート、サクラス、などの名を持った天使たちの顔は火を放ち、姿は血で汚れており、軍勢を受け取っていた。

11 あなたたちは五つの世代となる。第一のセツ、キリストと呼ばれる者、第二のハルマトート、第三のガリラ、第四のヨーベール、第五のアドーナイオス、これらは闇と混沌を支配する五人である。

12 サクラスは自分に従う天使たちに「我々は人間をこの似姿によって創造しよう」と言った。男アダムと「ゾーエー・いのち」とも呼ばれる女エバを形作った。

13 サクラスはアダムとエバに言った。あなたたちの命はあなたたちの子孫とももにいっときの間は在る。

宣教要旨「全ての人は神の子」

 グノーシス主義とは1世紀後半にユダヤ教と初代教会の諸派の間で融合した宗教的思想と体系の集合。人間の本来の自己(魂・霊)は、宇宙を超えた究極的存在・至高者(神)と同一、分身であるという理解が根底にある。それを知る智恵を「グノーシス」と呼ぶようです。
 初期キリスト教にもグノーシス派がおり、イエスは「至高者」「最も大いなる霊」に由来する者であり、人を神的性質に目覚めさせ、神と人との間を架橋する役割を果たし、閉じ込められた魂を解放し、人間の中の神的要素を覚醒させるべく揺り動かすために派遣された、と語る。「神」という固有名詞を用いることを極力避けている。最も多く使われる固有名詞は「アイオーン」。人間の認識や思考の及ばない「至高者」「最も大いなる霊」の下に、光の神が造りだした数々の光とともに在る“世界”とも、“時空”とも、個別の天、個別の宇宙とも解釈できるもの。
 九章では創世記の天地・人の創造物語を批判的に超えた独自の創造物語を描こうとしていると思われます。
 人は神と等しい「最も大いなる霊」を吹き込まれた神の分身(神の子)であり、闇と混沌(カオス)に支配されないための智恵(グノーシス)が生きている間与えられている、という人間理解だと思われます。

 新約聖書の時代には、「神」と「人」との距離はいわば断絶しており、「人はもともと神の子」との表現は見当たりませんが、旧約聖書には人は本質的に神の分身・子であるという認識があった。
例:申命記32:5 彼等は主に対して悪を行い、その汚れの故にもはや神の子らではない。よこしまで曲がった世代だ。
詩篇9:1 神の子等よ、主に帰れ。栄光と力を主に帰せよ。

 神を「アッバ」と呼んだイエスは、断絶している「神」と「人」との関係を元どおり取り戻す活動をし続けた、闇に置かれ罪人とされた人々の「神の子」としての復権を回復し続けた、と思うのです。

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