2020年5月3日復活節第四主日礼拝 出エジプト記30章20節マルコ福音書7章5節宣教要旨 「現代悪霊の跋扈」担当 金田恆孝

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出エジプト30章17−21節
17 主はモーセに言われた、18 「あなたはまた洗うために洗盤と、その台を青銅で造り、それを会見の幕屋と祭壇との間に置いて、その中に水を入れ、19 アロンとその子たちは、それで手と足とを洗わなければならない。20 彼らは会見の幕屋にはいる時、水で洗って、死なないようにしなければならない。また祭壇に近づいて、その務をなし、火祭を主にささげる時にも、そうしなければならない。21 すなわち、その手、その足を洗って、死なないようにしなければならない。これは彼とその子孫の代々にわたる永久の定めでなければならない」。

マルコ福音書7章5-7節
7:5そこで、パリサイ人と律法学者たちとは、イエスに尋ねた、「なぜ、あなたの弟子たちは、昔の人の言伝えに従って歩まないで、不浄な手でパンを食べるのですか」。
7:6イエスは言われた、「イザヤは、あなたがた偽善者について、こう書いているが、それは適切な預言である、『この民は、口さきではわたしを敬うが、その心はわたしから遠く離れている。
7:7人間のいましめを教として教え、無意味にわたしを拝んでいる』。

宣教要旨「現代悪霊の跋扈」
 祭司たちに対するモーセの戒めとして「神殿を訪れた人々と神との間に立ち“執り成しのわざ”を行うとき、青銅の洗盤に入れた水で手と足を洗え。人々から神に捧げた物に触れるときもそのたびに手と足を洗え。死なないためである」とのメッセージがある。彼の時代も見知らぬ人や外国人、保菌者たちからの細菌感染は恐れていたことが容易に想像できる。「死なないため」。今日自分の部屋でじっとしている人々の恐れと同じだろう。
 伝染病を防ぐ、捧げ物に触れる手足を水で清める行為は、自分自身を清くする、聖別する行為でもなければ、他者を加害者として疑ったり、排斥したりすることではない。

 にもかかわらず、イエスが非難しているのは、手足をいつも洗い、それを「聖別」=神に選ばれたる民の条件とし、異邦人や不浄とみなした人と一緒に食事をせず、排斥することを「信仰」と言いつのり「自分たちの言い伝え」で排除・区別を合理化し続けていることだと思われる。

マルコ福音書7章8〜12節の記事(コルバン)はテーマがやや異なる。元々別の記事を併せたと思われる。
 手も洗わずマスクもせず、悪霊の働きによって病んでいる人々と触れ合い、食事をともにし、悪霊と対話し、悪霊の居場所を指し示し、病み人と神との関係回復を支えたイエスたちは、「悪霊の頭」と神殿から非難された。

 今現在、「コロナ」と名付けられたウィルス。コロナとは“王冠マーク”であり、電子顕微鏡で見ることのできる姿が似ていることから命名された由。今現在これによる死者24万人。195の国々で感染者が340万人と伝えられている。「死なないため」が至上の命題としてロックダウン、非常事態宣言などの号令が飛び交う。王冠をかぶった悪霊、目に見えない王が大きなちからを振るっているのだろう。この王冠を戴いた不可視の王と戦おう!と叫んでいる人々は、1984年に大流行した米国映画、『ゴーストバスターズ』にかなり影響された人々ではないかと想像してしまう。
 不幸の大きさ、悪霊・サタンの恐ろしさを死者人数やデータで表すことができるのなら、視点をわずかずらして難民たちに目を向けるならば、ただいまの世界難民数7千万人。シリア難民、パレスチナ難民、ロヒンギャ難民、エチオピア難民などのニュースは絶えず更新され、難民数はこの20年で2倍になり、毎日3万7千人の新難民が生み出されているという。そこでは膨大な死者数すらカウントしてもらえない、文字通り必死の状況があろう。国家や紛争から排斥され、居場所を失って、死者数のカウントすらされない人々の不幸に、私を含め、涙する人々は少ないし、難民を生み出している悪霊の正体を必死で探る国も学者も専門家もまた少ない。

 聖書には預言者のみた夢、幻が記されたものがあります。黙示(暗示)文学などと呼ばれています。ネットでもダニエル書の預言とか黙示録などが、不安に満ちた現代と未来を言い当てている、などが溢れています。

 ゆうべ 私も怖い夢を見ました。
街から人々のマスク姿が消えた風景でした。駅から吐き出される人々、散歩する人々の胸にタグともIDカードとも称される「札」がぶら下がっています。
「自宅の外で活動する国民一人ひとりを守るために」と義務化された、新たな外出時のスタイルとなっていた。それはキャッシュカードの役割も兼ねており、雑菌の付着した紙幣や貨幣に触れることもなく、財布からも解放されるとのこと。
 「札」には氏名、ID番号のみならず、主治医の氏名と連絡先が記されている。個人に何かあってどこの病院に搬入されても、その医師と連絡を取り血液型も病歴もアレルギーもすべてすぐわかる仕組み。更に札には三つの記号、OP・DP・Mが記入されている。OPはOrdinary People  DPはDisordinary Mはマイクロチップの略で 、すべて医師の診断によるもの。OPは普通の安全な人々、DPはケアの必要な心や体の障害者、Mは本人や社会を守るために監視が必要な人(前科者・危険な精神病者・反社会的人格障害等の診断された)で、マイクロチップを身体に埋め込まれた人々を指す。 
 かつては個人に対する行動規制や、個人情報を国家がすべて把握することに抵抗がありましたが、「コロナウィルス」以降、シートベルト規制同様に、“自分とお互いを守るために”と人々に受け入れられ、“あなたの健康とプライバシーは医師が守ります”とのPRで一挙に社会に受け入れられた世相でした。

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