20211114 東淀川教会宣教要旨「全体主義の病理」担当 金田恆孝
本日の聖書箇所(聖書協会共同訳)
イザヤ書58章 6〜10節
私が選ぶ断食とは 不正の束縛をほどき、軛の横木の縄を解いて 虐げられた人を自由の身にし
軛の横木をことごとく折ることではないのか。
飢えた人にパンを分け与え 家がなく苦しむ人々を家に招くこと 裸の人を見れば服を着せ
自分の肉親を助けることではないのか。
その時、曙のようにあなたの光は輝き出し あなたの傷は速やかに癒やされる。
あなたの義があなたを先導し 主の栄光があなたのしんがりを守る。
その時、あなたが呼べば主は応え あなたが助けを求めて叫べば「私はここにいる」と言われる。
もしあなたの中から 軛を負わせることや指をさすこと 悪事を語ることを取り去るなら
飢えている人に心を配り 苦しむ者の願いを満たすなら 闇の中にあなたの光が昇り
あなたの暗闇は真昼のようになる。
マタイによる福音書 18章 11〜14節
人の子は、失われたものを救うために来たのである。
あなたがたはどう思うか。ある人が羊を百匹持っていて、その一匹が迷い出たとすれば、
九十九匹を山に残して、迷い出た一匹を捜しに行かないだろうか。
よく言っておくが、もし、それを見つけたら、迷わずにいた九十九匹より、その一匹のことを喜ぶだろう。
そのように、これらの小さな者が一人でも失われることは、天におられるあなたがたの父の御心ではない。」
宣教の要旨「全体主義の病理」
世の最後尾・最深部・暗闇で虐げられている魂をこそ主なる神は救おうとしていると預言者イザヤは伝える。その暗闇で虐げられている人の声を聴き、願いを満たせ、とイザヤは聴く者に語る。
イエスは99匹の羊と一匹の羊のたとえ話で、“大勢”をほっぽりだしてでも、群れを外れ、
未来を失いかけている羊を「こそ」神はその声を聴き、救おうとしていることを語ります。
「義」は多数の側、全体の側にあるのではないことをイエスは教えます。
21世紀の現代は少数者への「福祉」「人権」「救済」の律法のもとに配分された予算を、
それを収入源とする業者たちが奪い合い、少数者の守られるべき利益や声はかき消され続けていいる
現実があります。「少数の救済よりも多数の利益・未来をこそ守るべき」の全体主義の声が
大手を振ってまかり通る現代の一断面。
旭川市女子中学生集団暴行凍死事件
凍死で発見された廣瀬爽彩(さあや)さん
2019年4月 北星中学校入学 6月 十人に取り囲まれウッペツ川に飛び込む 9月 転校手続き 10月 x中学へ転校
2021年2月13日 家出 3月23日 凍死体で発見される
A子3年生他十名の共犯者たち C男からのメール「裸写真送らないとゴム無しでやるから」のメール。
北星中学校での謝罪の会に学校は弁護士の参加拒否し担任や他の教員出席せず
北星中学校教頭Nの母親に対する発言
「わいせつ画像拡散については校外のことであり、学校は責任は負えない」「10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか。10人ですよ。1人のために10人の未来をつぶしていいんですか。どっちが将来の日本のためになりますか。もう一度、冷静に考えてみて下さい」しかし葬儀の時は北星中学からはだれも参加しなかった。
おそらく教師や学校そのもの、教育委員会など教育現場に自浄作用、変革を求めることは不可能なのだろう。
さまざまな(個)あっての全体、ではなく、圧倒的に全体優先の状況の中で、全体に合わせられない、全体に合わせる“ふり”ができない「個」は暴力の的になりやすく、被害に遭っても切り捨てられていく現実がある。
先週の出来事
防衛省による沖縄県宮古島市へのミサイル弾薬搬入と南西諸島の軍事要塞(ようさい)化がすすめられている様子。米日安保体制のもと、対中国・北朝鮮との戦闘準備がすすんでいるのでしょう。 軍事戦略は機密が前提で、自国の民、主権者にすら情報が隠される。憲法9条は現在、とても危ういのだろう。