20210214 宣教要旨「驕れる男の死と再生」

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ギルガメッシュ叙事詩
衣を清く保ちなさい。頭を洗い、水を浴びなさい。おまえの手にすがる子供に目をかけなさい。おまえの膝で妻が歓ぶようにしなさい。これが人間のなすべきことなのです…」
創世記2章 21節
そこで、神である主は人を深い眠りに落とされた。人が眠り込むと、そのあばら骨の一つを取り、そこを肉で閉ざされた。

マルコによる福音書12章 18-25 節
復活はないと言っているサドカイ派の人々が、イエスのところへ来て尋ねた。「先生、モーセは私たちのために書いています。『ある人の兄が死に、妻を残して子がない場合、その弟は兄嫁と結婚して、兄のために子をもうけねばならない。』さて、七人の兄弟がいました。長男は妻を迎えましたが、子を残さないで死にました。次男が彼女を妻にしましたが、子を残さないで死に、三男も同様でした。こうして、七人とも子を残しませんでした。最後にその女も死にました。 復活の時、彼らが復活すると、彼女は誰の妻になるのでしょうか。七人ともその女を妻にしたのです。」 イエスは言われた。「あなたがたは聖書も神の力も知らないから、そんな思い違いをしているのではないか。死者の中から復活するときには、めとることも嫁ぐこともなく、天の御使いのようになるのだ。

宣教テーマと要旨『驕れる男の死と再生』
紀元前3,500年頃から約1,000年続いたメソポタミアのシュメール文明時代の神話「ギルガメッシュ叙事詩」。主人公ギルガメシュはウルクの王。暴君であり、都の乙女たちを奪い去るという悪業その他の暴君ぶりで住民に恐れられていた。ウルクの人びとが神々に訴えると、大地の女神アルルがギルガメッシュを滅亡と再生へと旅立たせることから始まる。 創世記の男と女の誕生、洪水物語もシュメールの神話の影響を多く受けているといわれる。資料によると妻(音価で“Nin-Ti ”)は「肋骨」の意味もあるが、心臓=いのちの象徴であり、元来「生命ある者の母」と訳されるべき語が誤って「肋骨そのもの」として転記されたようです。イスラエル人も元来遊牧民であり、リーダーは男性族長、父系中心になりがちな文化だった。キリスト教が生まれローマ帝国の国教となった後も、一神教(キリスト教以外は認めない)を中心とし、男(王)が家族(女・子ども・国民)を守り外敵と戦い、他国や自然を征服する男性イメージを中心とする西洋文明の基礎をキリスト教が支えてきた。パウロの宣教もまた“主導するのは男性”イメージが強い。

 現代社会もまた、強い国々(先進国)と搾取される国々(後進国)の格差、富んでいる者と貧しい人々の格差もますます広がり、自然を征服すべきものとして破壊を続けてきた結果、地球環境は人類の持続可能性が脅かされる事態にまでなってきた。いまや、人間の豊かさを求めて地球を利用してきたことの限界に直面している世代として、わたしたちは古代の人々のように、“母なる大地”、“生命あるものの母”を中心とする、再生・循環、自然との共生、というよりも、むしろ「自然によって生かされる」地点に立ち戻るしか道はないのではないか。

 イエスの失言を引き出そうと論争を仕掛けた者たち。族長たる長子の名を残すための身代わり婚・レビラート婚の風習が残っていた。 次々と死んだ七人の男兄弟の妻だった女は、死んで復活したとき、誰の妻(だれのものとなるか)の問いに対し、娶ることも嫁ぐこともなく天の御使い(天使)のようになる、とイエスは答える。肉体は滅び、魂(霊)は神の元に帰るとき、もはや男・女である必要もなく、聖霊として神とともに働くのだ、と言い換えてもいいと思う。

 この国の古代神話、太陽神は女性神アマテラスであったが、“権威”は地上の武力・権力を握った王、武尊に取って代わられた。
 いま、オリンピック委員会委員長の発言(暴言)がマスコミを賑わしている。
ジェンダー(女性・男性)の対立、反発、主導権争いではなく、弱さを慈しみ、子どもたちを守り育てる知恵と力とを、性差には関係なく主に祈り求める時だとあらためて思われる。

先週の出来事 
ミャンマーで起こった軍事クーデター。“最後は軍事力こそがものを言う”みたいな出来事。
それに対して、それを許さない、阻止するための過去最大数十万人規模の軍事クーデターに対する抗議デモが起こっている。これを鎮圧するための、更なる軍の暴走が起こらないことを祈りたい。

 

 

 

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