190623 イザヤ書9:1-2 マルコ福音書4:21−25宣教題「見透かされすっぽんぽん」

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20190623 宣教要旨 司式・宣教 牧仕 金田恆孝

旧約聖書 イザヤ書 第 9 章1-2節
1 しかし、苦しみにあった地にも、やみがなくなる。さきにはゼブルンの地、ナフタリの地にはずかしめを与えられたが、後には海に至る道、ヨルダンの向こうの地、異邦人のガリラヤに光栄を与えられる。
2 暗やみの中に歩んでいた民は大いなる光を見た。暗黒の地に住んでいた人々の上に光が照った。

新約聖書 マルコによる福音書4章21-25節
また彼らに言われた、「ますの下や寝台の下に置くために、あかりを持ってくることがあろうか。燭台の上に置くためではないか。
なんでも、隠されているもので、現れないものはなく、
秘密にされているもので、明るみに出ないものはない。聞く耳のある者は聞くがよい」。
また彼らに言われた、「聞くことがらに注意しなさい。
あなたがたの量るそのはかりで、自分にも量り与えられ、
その上になお増し加えられるであろう。
だれでも、持っている人は更に与えられ、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう」。

聖書から聴く 主題「見透かされすっぽんぽん」
マルコ福音書の“ともし火は升の下や寝台の下ではなく、燭台の上に”の箇所は、「あなた方は世の光である」という聖句とともに語られることが多い。しかし「キリスト者は世の光」という、語られて嬉しくなるような意味でマルコ福音書のこの箇所を受け取ってしまったら、本来のイエスのメッセージとまったく違った、むしろ逆のメッセージなのに、こちらが受け取りやすいように自分たち勝手に理解してしまっている可能性があると思うのです。
イエスの「聞く耳のあるもの」 「聞くことがらに注意しなさい」は、自分に都合よく聞いているんじゃないのか?」「聞く私たちが聞く耳を持っているなどと思ってはならない」という警告に聞こえる。

「聞くことがらに注意しなさい」との念押しは、むしろメッセージは隠されている、というふうに理解すべきだと思われる。

イエスの時代、人々はローマからの徴税、ヘロデ王の徴税、神殿税など、重い課税徴税にかなり苦しんでいたのは確か。いくら財産やおかねを隠そうとしても、ごまかそうとしてもごまかしきれるものではなく、そんなことしたら重い刑罰が待っていた。「ローマに税金を納めるべきではない、という意見も確かに多かった。ゼニを土の下に隠せば……肌身離さず身につけられるものに換えて所持していれば……そんな必死の努力も必ず見透かされて、或いは隣人から告発され、もっともっと大きな「罰・ペナルティ」が襲いかかってくるわけです。「お金でしか家族を養えないじゃないか!」という「お金基準」と同じ基準で根刮ぎ持って行かれるし、お金(資本)をたくさん持っている者たちがますます豐かになっていくし、お金を持てない、ライフラインが細い、貧しい者がより貧しくなっていく、格差はどんどん広げられていくのだ……こうイエスが語っている、と感じられるのです。

現代社会は、数多い燭台の、たくさんのローソクのごとく、監視カメラなどで「隠れることはできなくなっている」し、名義を変えて隠し口座を作っても必ず暴かれてより大きなペナルティが課せられるし、現代の顔認証システムはどんなに変装しても隠れるところもなく暴き出されるし、どこでどんな買い物をしてどんな物慾傾向か、くまなく調べられている。過去の違反歴も逮捕歴も健康診断記録も治療記録も入院記録も権力側であれば極秘という名目をつければすべて権力側の手に入る。
町のあちこちに隠しカメラが置かれていることにプライバシーの侵害だと騒ぐことができた20世紀があった。21世紀は犯罪防止のため、容疑者検挙のため、善良な一般ピープルを守るためとの大義名分のもと、ビデオ撮影カメラを堂々とあちこちに付けてくれることをほとんどの一般ピープルが願っているのが現状なのでしょう。
間違いやすいパスワードよりも、顔認証で顔パスできることを善良な市民達は望んでいるし、だから顔認証システムは広がっている。

「あなたがたの髪の毛一本一本まで数えられている」、とは
やはり現代の「今」に向けてイエスが語られているように感じられる。
もはや二〇世紀には戻れないし、国家による優生保護政策は「善良な国民のため」推し進められ、役立たずで金食い虫の弱者や国家に反抗的な危険人物はフクシ政策として排除され患者扱いされ矯正させられ、最終的な排除刑(死刑)へとつながっていくのでしょう。善良な、優生な、国家を愛するクリスチャンによる、巨大な病院のような、白いチャペルを備えた「白く塗られた教会」が残りそうな気がします。

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