20220130 礼拝 宣教要旨「養われる原点」出エジプト記16章 マルコ福音書1章 担当 金田恆孝

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本日の聖書箇所(聖書協会共同訳)
出エジプト記16章 11-15節
そこで主はモーセに告げられた。
「私はイスラエルの人々の不平を聞いた。彼らに伝えなさい。『夕方には肉を食べ、朝にはパンで満ち足りるであろう。あなたがたは私が主、あなたがたの神であることを知るようになる。』」
さて夕方になると、うずらがやって来て宿営を覆い、朝になると、宿営の周りに露が降りた。
降りた露が上がると、荒れ野の地表に薄く細かいものが、地の上の霜のようにうっすら積もっていた。イスラエルの人々はそれを見て、「これは何だろう」と互いに言った。彼らはそれが何か分からなかったのである。そこでモーセは彼らに言った。「これは、主があなたがたに食物として与えられたパンである。

マルコによる福音書1章 6節
ヨハネは、らくだの毛衣を着、腰に革の帯を締め、ばったと野蜜を食べていた。

※甘露(Honeydew)は、植物の樹液を食べるアブラムシやカイガラムシが分泌する、糖の多いねばねばした液体。西アジアのような乾燥地帯では水分がすぐに蒸発するため、植物に群がったカイガラムシの下で霜のように堆積した甘露の成分が容易に採集できる。後世の西アジア遊牧民の民俗例でも、実際にこれを採取して食用にする事例が報告されている。(Wikipediaより)

宣教の要旨「養われる原点」
 史実かどうかは別として、「神とともに歩む移動の民イスラエル」が飢饉によりエジプトに身を寄せ、エジプトの肥沃な土地での定住生活では奴隷状態ではあっても食べ物は豊かだった、そのエジプトを脱出し、奴隷状態から脱したあと、貧しい放浪・移動の生活の中で、エジプト文明の豊かさを味わってしまった「元奴隷」イスラエルの民に、生活の不安定さ、主に渇きや飢えがいつも満たされないことについての不平不満が募り、“奴隷状態の方が良かった”との声も広がった。そのイスラエルの民に、モーセを通して与えられた水と食べ物。その食べ物が、夕方群れとなって飛来してくる「うずら」の群れと、朝方に地面に降り積もった「マナ」だったと記されています。
 マナとは、アブラムシやカイガラムシが樹液を吸い、その体から排出したもので、天からの恵みとして古代中国でも伝えられた長寿の妙薬『甘露』と同じものだったという説もあります。伝承では紀元前1200年頃のことといわれています。

 1000年を経てイエスが現れた時代。バプテスマのヨハネはバッタと野蜜(蜂蜜やマナ)に養われていた、と記されています。いずれも定着による栽培による収穫ではなく、移動しながら、自然の中の小鳥、虫、昆虫、植物などから与えられる僅かな食べ物で生かされていたようです。この国の歴史に置き換えると、移動を前提としていた長い縄文時代から、稲の栽培、定着・農耕を中心とした弥生時代に移ったと理解してもよいと思います。

 富、豊かな生活、文明への依存から離れて、神からの恵み、自然からの守りによってのみ生かされる、養われる、厳しい道がバプテスマのヨハネによって示された、というメッセージがそこにあると感じられます。

紀元後2000年 土地の領土争いはほぼ終わり、軍事科学技術の発達した現代は資源と利権争いの時代でしょうか。「自然」と、本来は自然でしかない「人間」との関係が、とっても悪くなっている21世紀になってしまったと、多くの人々は感じていると思うのです。

 余談ですが、私の子ども時代、食い物に困るひもじい時代は超えていましたが、お蚕さんの幼虫も、蜂の親子も、バッタもカエルや蛇も食べていました。わずか数十年の間に、都市を中心とした食生活はガラッと変わってしまいました。

  コロナ騒動が示している、自然が脅威の対象となり、「病院化した都市」の中で、便利さと保健衛生とライフラインに守られながら老化し死を迎えようとしている現代社会の私たちの姿があると思うのです。衣食住が豊かな文明の中での奴隷状態のまま、全ての人々がそれぞれ老化し朽ちていくのなら良いのでしょうが、ピラミッド型の、人間相互の落差、格差は大きくなっているし、さらに広まるだろうと感じます。

「病院のベッドで医療に見守られながら死んでいく者・難民として名前も忘れられ焼却されるべき遺体となっていく者」「強者・弱者」「富める者・貧しい者」「健常者(ふつうの人)・ハンディを持つ者」「守られる内側の人・疎外される外側の人」などの格差がと取り繕われながら益々広がっている現在があります。今も私たちの十字架を負いつづけるイエスの言葉に全神経を集中したいと願います。

先週の出来事
 地震の頻発、コロナ株の変異と感染者の急激な増大、列強国による軍事威嚇、ロシアの派兵、道連れ自殺の増加、台湾の緊張、香港の沈黙、ミサイル連射による威嚇・自慰行為…,負のシンクロニシティが拡大しないことを願う。Amen

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