20230813 東淀川教会お盆礼拝「死者とともに神さまを讃美する」 イザヤ書44章6節 マタイ福音書28章20節

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聖書箇所
(日本聖書協会訳聖書)

イスラエルの王なる主 
イスラエルを贖う方、
万軍の主はこう言われる。
私は初めであり、終わりである。
私のほかに神はいない。
       イザヤ書44章 6節

あなたがたに命じたことを
すべて守るように教えなさい。
私は世の終わりまで、
いつもあなたがたと共にいる。
  マタイによる福音書28章 20節

宣教要旨「死者とともに神を讃美する」

永眠者記念礼拝はカトリックでは11月1日(8世紀グレゴリウス教皇3世決定)、プロテスタント教会では11月第1日曜日に行なっていますが、特に時期がこの時であるべき意味はありません。日本では、お盆に、天に招かれた先人を呼ぶ習慣があります。八月には広島長崎原子爆弾の犠牲者や、戦没者・戦争被害者を心に留める風習があります。東淀川教会は8月お盆の頃に、永眠者記念礼拝を「お盆礼拝」として守っていきたいとの要望があり、8月に行うこととしました。
 本日の礼拝を「お盆礼拝」として、天に招かれた先人とともに礼拝を守ることにしました。

 聖書の民のルーツは土地を所有しない遊牧民・移動の民であり、彼らにとって「イスラエル」とは、国の名前でも血縁による一族の名ではなく、万物の創造主であり全てのいのちの創造主である神により、人として命を与えられ、生かされ、世代から新しい世代へと命は紡がれ受け継がれ、地上を歩み続ける、「神とともに歩む民の群」という意味です。
(イスラエルの語源については、神と挌闘したヤコブに神が与えた名、ということで“神と挌闘する人”の解説がありますが、神とともに歩むこと自体が、神を忘れて歩むことの出来ない民の心的な葛藤の連続をあらわしており、イスラエル=神とともに歩む民、で良いと思います。)
戦争に負け、かつてエジプトで奴隷状態であった時のように長期間他国の奴隷状態となり「イスラエルの民」としてのプライドも矜持も失いかけ、「自分たちは神に見捨てられた」「親である神は子である私たちを守ってくださらない」と恨みました。自分たちが神を見失ったのに、それを神のせいにしたのです。
 神を見失った民に神がイザヤの口を通して語りかけました。「わたしは世の始まりから世の終わりまであなた方と共にいたし、これからもともにいる」「わたしはあなた方を贖い出す=イスラエル、神とともに歩む民として立ち上がらせる」と。

 イエスを通して語られた神の言葉は「いかなるいのちであっても、わたしが見捨てる、見守らない命は一つもない」というメッセージです。

 いずれの時代でも、自分たちの子孫や後の時代への祈りは、神の守りであり、神様に生かされる生き方、すなわちHuman ヒューマニズム(神が求める人間らしさ)が失われないことでしょう。

 私たちより先に天に召された方々を呼んで一年に一度神仏に礼拝する行事は世界各地に見られます。大切な先人から多くを学び贈り物を頂き、今も見守られていることを感謝する祈りもあると思います。中には召天者への恨みを語り、祟りから解放されるために神に祈る人もいるでしょう。名前をつける前に天に召された子どものための祈りもあるのでしょう。不慮の事故で愛する人を奪われた苦しみが続いている方もおられるでしょう。あるいは、愛する肉親や人が自殺してしまったことの大きな傷が今も痛み続けておられる方の祈りもあるのでしょう。

  しかし神様は地上の人々だけではなく、紛れもなくそれらお一人お一人の魂と共におられ、その命を贖い、癒してくださっています。私たちが神様と共に歩む道を選んだのではなく、神様が私たちと共に歩んで下さっていることを、身をもって示してくださったのが、神をアッバと呼び、全ての人がもれなく神の子であることを示してくださったのがイエスでした。

広島、長崎の被爆者慰霊碑、戦没者慰霊碑に向かって「静かにお眠りください。二度と過ちは繰り返しませんから」と祈りを捧げても、『冗談じゃない! 今のこの国で おちおち眠っていられるか!』という死者たちの声が「こころあらば」聴こえるはずです。であるならば、その死者の声とともに、過ちを悔い改めようとしない“現状”に、途方に暮れながら神の導きを祈るしかありません。

 天上の人々とともに神を讃美しましょう。

先週の出来事
コロナ騒ぎではなく、この暑さで、家から出ようとしたら目眩がして、協会に行くのをあきらめました、という車椅子利用者の弁。「無理しないでください」と答えながら、「高齢者やハンディを抱えている人のためには、やはりネット礼拝を採用すべきか?」と高齢者牧仕は悩みました。

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