Tweet

Pocket

ツイート

旧約聖書 Leviticus レビ記15章2-3
15-2 「イスラエルの人々に言いなさい、『だれでもその肉に流出があれば、その流出は汚れである。
15-3その流出による汚れは次のとおりである。すなわち、その肉の流出が続いていても、あるいは、その肉の流出が止まっていても、共に汚れである。

新約聖書mark マルコ福音書5章
5:21イエスがまた舟で向こう岸へ渡られると、大ぜいの群衆がみもとに集まってきた。イエスは海べにおられた。
5:22そこへ、会堂司のひとりであるヤイロという者がきて、イエスを見かけるとその足もとにひれ伏し、
5:23しきりに願って言った、「わたしの幼い娘が死にかかっています。どうぞ、その子がなおって助かりますように、おいでになって、手をおいてやってください」。
5:24そこで、イエスは彼と一緒に出かけられた。大ぜいの群衆もイエスに押し迫りながら、ついて行った。
5:25さてここに、十二年間も長血をわずらっている女がいた。 5:26多くの医者にかかって、さんざん苦しめられ、その持ち物をみな費してしまったが、なんのかいもないばかりか、かえってますます悪くなる一方であった。
5:27この女がイエスのことを聞いて、群衆の中にまぎれ込み、うしろから、み衣にさわった。
5:28それは、せめて、み衣にでもさわれば、なおしていただけるだろうと、思っていたからである。
5:29すると、血の元がすぐにかわき、女は病気がなおったことを、その身に感じた。
5:30イエスはすぐ、自分の内から力が出て行ったことに気づかれて、群衆の中で振り向き、「わたしの着物にさわったのはだれか」と言われた。
5:31そこで弟子たちが言った、「ごらんのとおり、群衆があなたに押し迫っていますのに、だれがさわったかと、おっしゃるのですか」。
5:32しかし、イエスはさわった者を見つけようとして、見まわしておられた。
5:33その女は自分の身に起ったことを知って、恐れおののきながら進み出て、みまえにひれ伏して、すべてありのままを申し上げた。
5:34イエスはその女に言われた、「娘よ、あなたの信仰があなたを救ったのです。安心して行きなさい。すっかりなおって、達者でいなさい」。

宣教要旨「身体から出るものは汚い？」
　当初は「排泄物をきちんと処理しなさい」から始まったものと思われる。排泄物そのものの処理や、排泄に関わる部位の清潔をいかに保つかは昔から重要なテーマだった。そこから生まれる様々な教訓、生活の知恵、ことわざ、知恵の深さ、ユーモアの幅は大である。大凡の哲学はここから出発する。

食べ物の不浄規定（タブー）に対して、イエスは「口から入るものが人を汚すのではなく、身体から出るもの（排泄物のみならず、言葉、ねたみ、嫉妬、嘘など）が人を汚す、と食べ物への規定を笑い飛ばしている。（マルコ福音書7章）
一方で、身体から出るものを不浄と決めつけることで、あらたな人の苦しみを生み出してしまうことにも繋がりかねない。

女性の生理を「不浄」として儀式や公の場から外す風習や週間は世界各地に見られる。性的な煩悩・妄想を抑制する目的や、母体の保護、男性の女性コンプレックスなど、様々な要因が絡み合って現れる。
12才で死にかけているヤイロの娘に対しては誰もが同情を惜しまない。が、「長血の病」に12年間も囚われている女性がどれほど軽蔑され、忌み嫌われていたかは想像に難くない。同じ12年でも人の主観は真逆に現れる。「やもめ」「子を産めない女」以上に、働くことすらできない、役立たない、病原菌のごとき不浄な女として蔑視される。かような女性にとって、レビ記のごとき“不浄の規定”の律法が、より本人を責め立てる、疎外や排除を肯定するための方便として使われる。
圧倒的に穢れとして追い詰められている彼女が、文字通り必死に、集まる人々を縫って近づきイエスの衣を掴んだ。イエスの身体から力が“外に出た”。イエスから力を引き出した者は誰か、イエスが捜す。癒やされた彼女が自分をあからさまに告白する。イエスはそれをあなたの「信仰」があなたを救ったと宣言する。「最後尾」についてくださるイエスの言葉は、私たちの12才の少女に同情する「偏見」を問い詰めてくる。

○先週の出来事
日韓における「レーダー照射問題」が非常事態であるがことき報道はおかしい。はたして日本側からは威嚇として「ロックオン」してきたのか、こなかったか？　さらに、韓国側のロックオンがいかほど日本側に被害を及ぼしたのか、客観的な分析がなされず、被害感情だけがかき立てられる。踊らされるポンポコリンにだけはなるまい。