2020年9月13日 東淀川教会礼拝 

Pocket

このエントリーをはてなブックマークに追加

創世記19章24-26節
主は硫黄と火とを主の所すなわち天からソドムとゴモラの上に降らせて、 これらの町と、すべての低地と、その町々のすべての住民と、その地にはえている物を、ことごとく滅ぼされた。しかしロトの妻はうしろを顧みたので塩の柱になった。

レビ記2章13節
あなたの素祭の供え物は、すべて塩をもって味をつけなければならない。あなたの素祭に、あなたの神の契約の塩を欠いてはならない。すべて、あなたの供え物は、塩を添えてささげなければならない。

民数記18章19節

イスラエルの人々が、主にささげる聖なる供え物はみな、あなたとあなたのむすこ娘とに与えて、永久に受ける分とする。これは主の前にあって、あなたとあなたの子孫とに対し、永遠に変らぬ塩の契約である」。

マタイによる福音書5章13節
あなたがたは、地の塩である。もし塩のききめがなくなったら、何によってその味が取りもどされようか。もはや、なんの役にも立たず、ただ外に捨てられて、人々にふみつけられるだけである。

マルコによる福音書949-50
人はすべて火で塩づけられねばならない。塩はよいものである。しかし、もしその塩の味がぬけたら、何によってその味が取りもどされようか。あなたがた自身の内に塩を持ちなさい。そして、互に和らぎなさい」。

ルカによる福音書1434-35
[塩は良いものだ。しかし、塩もききめがなくなったら、何によって塩味が取りもどされようか。土にも肥料にも役立たず、外に投げ捨てられてしまう。聞く耳のあるものは聞くがよい」

2020年9月13日 東淀川教会礼拝 創世記19章 レビ記2章 マタイ福音書5章 マルコ福音書9章 ルカ福音書14章 宣教題「塩の契約・人間らしさ」
 三共観福音書でも共通しているように、塩を巡ってのイエスの話はとても多かったと思うのです。 聖書には神与え給う「人間らしさ」のような言葉はありませんが、そのような内容であったのではと想像しているのです。
 神は命を与え育む主であり、神への応答が礼拝であり、そこで捧げられる捧げ物は本来食べ物に事欠く貧しい者に分かち与えられた。互いに生かし合うためのシステムであり十分の一献金と同じ考え方だった。穀物などの食べ物の献品には塩を添えた。生かされ生かし合う神との契約は「塩の契約」だと言われる。これは日本文化の「塩の清め」と繋がる考え方と言える。創世記におけるソドムの町が乱れて滅ぼされたという。これに由来するソドミー(性の乱れ)は人間関係の本質的な乱れを示す。町への思いを断ち切れずに振り返った娘が塩の柱になったという物語は、ソドムの町が神に清められることの象徴と感じられる。

 塩は神が与えた、命を守り育む大切なものであり、腐敗を防ぎ、味付けし、重要なミネラルを与える貴重品。マタイ福音書とルカ福音書は、塩の効き目を失った(塩の契約から外れた=信仰から外れた)者への厳しい裁きが語られている。「地の塩、世の光」を教会の働きとして描くことに大きいウェイトが置かれている。

 マルコ福音書での“火で塩漬け”という、捧げ物についての具体的処理方法は不明だが、必要に応じて火で加熱し、塩水で茹で、腐敗を防ぎ、安全性を保ち、良い味付けをし、食べる人のために塩を添えるなどの配慮を示していると思われる。イエスは神が人を育み守る象徴としての塩の話をしながら、互いに生かし合う、互いに和らぎ合うこと、今日的な(かなり失われていることばではあるが)「人間らしさ」ということばに寄せる人間観について語っているように思われる。

 五大栄養素の①タンパク質②油脂③炭水化物④ビタミン⑤ミネラルなど。塩はこの様々なミネラルを含んでいるものが天然の塩である。人体にとっての必須ミネラル(ナトリウム、マグネシウム、リン、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、セレン、モリブデン、ヨウ素、ケイ素等々)などが含まれているこの天然の塩が貨幣と同じ価値を持って遠くに運ばれていた。

 天然の塩に含まれる様々なミネラルは、心身の諸機能のバランスを計り、固有の自己免疫機能を支えるものと言われます。私自身の身体もそうですが、現代の食生活や体内に取り入られる化学物質、薬品などにより、自然から守られるべきバランスがかなり崩れているように思います。

 現代の深刻な病である自己免疫関連疾患(膠原病、リウマチ、癌、アトピー、無精子症状、筋無力症など)は体内のミネラル、ホルモン、化学物質の乱れに由来しているとの学説が古くから語られてきた。また、体内をリセットするための温泉療法や断食療法(ファスティング)が試みられてきた。古くはインドのヨガ・断食療法や、帝政ローマにおけるプルタルコスが提唱した断食療法など古から現代まで、特定の部位、特定の病気を治療する西洋医学とは別に、患者一人ひとりの側に立って個人全体の内的バランスを取り戻すためのサポートを行っている医院や病院もある。有害余分なミネラルや科学物質を排出し、自己免疫機能をリセットすることに重点があると思われる。

 自身の自己免疫反応の異常に基づく疾病について、合成副腎皮質ホルモン(ステロイド)が開発され、“夢の治療薬”として用いられてきた歴史があった。本来は個人の内的な必要から作り出されるホルモンを、身体の外側で合成し、外部から恣意的に体内に入れること自体、疾患に対する無理なコントロールとも思われる。それによって多くの副作用(骨粗鬆症、糖尿病、消化器の潰瘍、感染症、肺炎、精神病など)が引き起こされ、ステロイドの軽減、抗体(IFT CFT DNA等)との関係調整が困難な課題となっているとのこと。部位の治療ではなく、身体全体、生活全体を見直し、全体のバランスを図るのは、東洋医学が課題としてきた治療法であり、その一つとしてのファスティング(断食)による体内のリセット療法は、一人ひとりをじっくり長期的に見守ることのできる医療機関や医師、専門家でなければできない。薬害、オーバードーズが課題となっている現代で、“たったひとりの側に立つ医療”が求められているように感じられる。

先週の出来事

 コマーシャルは嫌いなのですが、テレワークを進める企業の宣伝で、「都市に集まること、満員の通勤電車に我慢することは必要でしょうか。テレワークで人々が各地方に散っても仕事ができればそのほうがよい」みたいなコマーシャルでした。これは面白い、と感じました。一国として考えるのではなく、飛騨国、信濃国、甲斐国、琉球国、陸奥国など各地方が国として自治を取り戻し、今の国の業務は最大限縮小し、人々がぐっすり寝て生活するための生活保護、安全保安管理業務、パスポートを発行する業務に専念する、なんてのはおもしろいと思う。

 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です